twitter全盛の昨今、mixiなどの先輩格のSNSの更新頻度が落ちているという人はたくさんいらっしゃると思いますが、
まとまった文章を綴ることにも意味があって、またそれを読む喜びもけっして色あせるわけでありません。
いまも愛読するBLOGなど、いろいろあることでしょう。


いろんなところで思わぬ人が読んでいて、
行く先々でふとした会話の中、話題にのぼることも多いのが、JOJO広重さんの日記です。
昨日のエントリーは、そのとおりだと頷くばかりでした。
リンクを貼るだけでは物足りない気がしますので、転載させていただきます。

ヤフーオークションやアマゾンのマーケットプレイスなどに、アルケミーの旧在庫などを出品している。落札などがあれば発送するわけで、当然配送先の住所が表示される。その住所を見るのが楽しみだ。


東京、大阪などはごく普通に感じるが、遠方の住所を見ると、とても嬉しい気持ちになることがある。


そうか、このCDはこんな遠くの場所まで行くのか。
こんな地方にも、このアーティストのファンがいたり、この音を聞きたいと思う人がいるのだなと実感できるからだろう。


アルケミーレコードが大阪・心斎橋に事務所をかまえたのは1986年で、その頃は事務所の向かい側にあった八百屋から宅急便を発送していた。
LPレコードを持ち込むと、八百屋の兄ちゃんが伝票処理をしてくれる。その時に一言二言、言葉をかわす。


『この荷物重たいなあ!どこに送らはんの?え、東京?ええなあ。この荷物は東京に行くんやなあ。オレもまだ東京に行ったことないのになあ!』


もちろん何気ない会話だし、この兄ちゃんはこんな話をしたことをまるで覚えてはいないだろうが、もう24年も前のこの会話を私はずっと覚えている。


遠くへ行きたいなという気持ち。
あこがれ。


全然違うかもしれないし、見当違いかもしれないが、遠方の住所の人にCDを発送する時に、いつもこの会話を思い出して、CDが届く先のことに思いをよせてしまう。
郵便配達の人が、宅急便の車が荷物を届ける。
通販のCDが届いた!と開封するお客さん。
CDをCDプレイヤーにのせる瞬間の期待感。
それが期待通りだったり、期待以上だったり、がっかりしたり。


こういうのも含めて、音楽を届けるということだと思うのは、思いすぎ?
甘い?
だからずっとインディーズなのかな?


でもねえ、ほぶらきんとか、愛欲人民12球団とか、全力オナニーズのCDを発送したりする時は、こちらもドキドキするよ。(笑)
発送する時に『すみません!』と事前にあやまっていたりして。



「遠くまで 走れ」
穂高亜希子


アルケミーと違って、サンレインはあくまで「仲介」ですので、ぼくとJOJOさんの気持ちには少し違った色合いがあるとは思います。
それでも、梱包しながら、送り状に住所を書き込みながら、心の中で、このCDいいんですよ!と呟くことは多々あるので、
この「喜び」についてはよくわかるつもりです。


僕自身も、自分でつくった歌を、誰かに聴いてもらうことを前提に、自分で歌っていますが、
誰かの音楽が、面識のあるなしを問わずにどこまでも(ときには海外にまで)飛んでゆき、求められ、愛されてゆくという場面に立ち会える、この役割(「仕事」と呼ぶのはおこがましいので、こう言っておきます)につけて、よかったなあ、と思っています。


今日は、来週にむけて色々と発注をしました。面白い作品がまた新しく入ってきますよ。


さて、今夜はMETROにRUMI×SKYFISHを観に行くつもりです!いらっしゃる予定のかた、そちらでお会いしましょうー。