チャート更新2012年6月

またも遅ればせながら、ですが(毎回こう書いてる気がする...)6月のチャートを。

1.アニス&ラカンカ / Aniss & Lacanca E.P.
http://www.sunrain-records.com/catalog-3783.html

ニュージャージーの女の子二人(という設定)によるデュオのデビューEP。アナログレコードがチャートの1位を獲得したのは、初めてだと思います。陽気さとセンスがきらきらと輝く曲、そして60'sテイストを徹底的に意識した音作りももちろんのこと、採算度外視で作りこまれたアートワークもお見事。これはアイテム感抜群ですねー。ちなみにアナログレコードがチャートの1位を獲得したのは、初めてだと思います。(←後記:これは誤情報でした。2012年3月に「片想い/踊る理由」が1位になっていました。失礼しました)


2.WATER WATER CAMEL / おんなのこがわらう時
http://www.sunrain-records.com/catalog-3734.html

先月は1位だったキャメルの新譜。首位は譲りましたが、コンスタントに売れ続けています。齋藤キャメル氏の声、各楽器のサウンドメイクとアンサンブルの妙、そしてエンジニアリングの腕前、すべてにおいて妥協なく追及されたソフトでなめらかな質感が、聴き込むほどにサイケデリックにも響いてくるのが不思議です。


3.ザ・なつやすみバンド / TNB!
http://www.sunrain-records.com/catalog-3763.html

TNBのデビューアルバム、全国的な話題となっているようですが、サンレインでも好評発売中です。さわやかな声、スティールパンをフィーチャーした、ドリーミーですこしトロピカル、そして疾走感も忘れない絶妙なアンサンブル、特筆すべきは、この作品をMIX CDと一緒に買ってくださるかたが何人もいらっしゃったこと。オーソドックスな「うた」が、ダンスミュージックのファンにも届くんだということが嬉しいのです!

4.洞 / 発見
http://www.sunrain-records.com/catalog-3735.html
先週に引き続きチャートイン。長野県在住の宮下和夫氏によるユニット、初の全国流通盤。"ベッドルーム・ポップス"と呼ばれる音楽はいくつもありますが、独特な言語感覚と、霧がかった長野の風景を想起させるような映像的サウンドスケープ、そしてひと匙加わったエモさ、ドリーミーな音楽の底にこういう要素が潜んでいて、それが癖になるように思います。梅雨から夏にかけても重宝しそう。


5.緋と陽 / タイヨウニホエロ
http://www.sunrain-records.com/catalog-3762.html

今回のチャートのなかで、ぶっちぎりで熱いのがこの作品。hig(ex.WEED、スペースカンフーマンMC)/HIROKI/山本"カブレラマン"昌史(NATSUMEN)から成る3人組の自主制作盤プログレッシヴな楽曲を卓越した演奏力で組み上げてゆき、最終的に「うた」のエモーションにつなげる、たとえるならば、縄文時代の火炎式土器(火が燃えているような文様がくっついているやつ)を見るような構成力、さらには呪術的とさえいえる力に満ちた一枚です。あまりライブをしない彼らですが、聴けば聴くほど気になる...

6.BIOMAN / MISSANGA
http://www.sunrain-records.com/catalog-3742.html

neco眠るのメンバーでもあり、DJ、農家と様々な顔を見せる奇才が「歌」に取り組んだ作品。お兄さんであるOORUTAICHIにも共通する、無国籍で陽光にあふれたトラックメイクも素晴らしいのですが、なによりBIOMANの迷いない声がよいのです。ライブはしない、と言っておられましたが、もったいないなあ。現在売り切れ中ですが、近日再入荷しますので、お待ちください。


7.シャムキャッツ / BGM
http://www.sunrain-records.com/catalog-3226.html

ロングセラーアイテムです。シャムキャッツが野外でライブをしたいという思い付きを実現させるまでのドキュメンタリー仕立て+名古屋K.D.japonでのライブ映像を収録。マジックアワーの河原で演奏する彼らの姿は、なかなかに感動的ですよ。


8.惑星のかぞえかた / 惑星のかぞえかた EP
http://www.sunrain-records.com/catalog-3559.html
東京の男女デュオによる自主製作盤が久々にチャートインです。憂いを帯びたフィメール・ボーカルがなぞるメロディと、ささやかながら確かに歌を支えるベース、これはたしかに雨の降り込める部屋にとても合いますね。


9.mmm / five till (remastered edition + bonus tracks)
http://www.sunrain-records.com/catalog-3668.html
mmmのファーストCDRをリマスタリングし、ボーナストラックを大幅に加えた作品。初期のmmmのみずみずしさ、控えめななかに確実に光る個性などが堪能できる一枚。"five till"が廃盤になったときに、ネットオークションでは高額な値がついたりしましたが、もうこれで安心です!


10.星の王子さまたち / ロックバンドEP
http://www.sunrain-records.com/catalog-3774.html
ストレートしか投げられない、その潔さが「かっこいい」としか言いようのない京都の4人組による自主製作盤。タイトル通り、ロックンロールへのいかんともしがたい愛情があちこちに散りばめられています。なんとなく「これ以上、上手くならんといてほしい…」と思ってしまうのは僕だけでしょうか。


次点 peno / nebula
東京で活動する、5人組(現在は4人編成)のファーストが鳥獣虫魚より。マルチプレイヤー二人を擁することもあり、多様な楽器を組み合わせてのスマートな室内楽が展開されています。やはり面白いのは「うた」の扱い。楽器を背景にするのではなくて、「音楽」のなかですべての音を同値に扱っているような聴こえかた、それでいてやっぱり「うたもの」であることが揺らいでいない、これはなかなかできることではないなあと思います。要注目。