倉地久美夫氏の諸作入荷!

sunrain2007-11-08

倉地さんのライブを初めて観たのは恐らく95年頃、福岡ビブレホールにて。当時確か、東京から帰ってこられてアジャクレヨンズというバンドでライブ活動を開始した頃、と記憶しておりますがどうだったでしょうか。ギターの感じがTELEVISIONみたいですね、と言ったら嬉しそうに「TELEVISION好きです!」とおっしゃっていたのを思い出します。しかし、それは当時25歳の幼稚な吉田が言えた精一杯の感想でした。実際はそんなもんじゃなかったのです。もともと外国の音楽であるロックを、輸入した日本人がどう奏でるか、そこに固執して日夜身もだえしながら(笑)考え込んでいた僕にはホントに目からウロコなパフォーマンスだったのです。これが日本人のロックだよな、と。倉地さんのギター奏法は完全にオリジナルでした。たぶんチューニングもオリジナルでしょう、洋楽に学びつつもそれを完全に独自の解釈で飲み込み、吸収し、恐ろしく上品かつパワフルに吐き出してくるのです。

「i heard the ground sing」2,500yen/美音堂

最新盤「スーパーちとせ」2,415yen/円盤
相変わらず素晴らしいです。前作までの菊地成孔外山明とのトリオ作も完璧でしたが、今作の一人多重録音によるバンド演奏、脱臼しまくりです。些細な日常会話や常套句が倉地さんの口から出るとまるで魔法の呪文のように響くのです。欧米化も極まれる我が国日本でありますが、まだまだここには「わびさび」が生き残っています。是非とも。

吉田肇