2月号のおはなし。

 先月の月刊サンレインの解説です。もうすぐ配布終了となってしまいまうところにやっとこさ間に合わせたので、どちらかというと種明かし的なものだと思ってください。


 で、解説を書くために今日あらためてジャケを見ていて、ひとつものすごいミスを発見。
 副題となるイメージを「立春」としようと思っていたのに、ジャケを見ると「SYUN-BUN」と、、、、春分の日は3月ですよね。ほんとうは「RIT-SHUN」と書くべきところを、まったく気づかないまま一ヶ月配布していたのです。なぜ一度も「あれ?」と思わなかったんでしょうか。我ながら恥ずかしいです。あわててウェブ上のサブタイトルだけは、訂正しました。が、あとの祭りとはこういうことを言うのですね、、、


 まあ、幸いなことにサブタイトルの間違いは内容になんの影響もありませんので、気を取り直して収録曲解説を。


月刊サンレイン2011年2月号 "RIT-SHUN EDITION"

1.加納良英 / ゆめ / 『BIG MILLE-FEUILLE SESSION』収録

大阪のベースレストリオand Young...では爆音ギターをかき鳴らす加納さんですが、このソロ作品では彼のざっくばらんな人柄、かつ器の大きさを感じることが出来ます。ホームである梅田・ハードレインを使っての、気のおけない友人たちとのセッション。収録曲はライブでもお馴染みの、彼のマニフェスト的な一曲。


2.トゥラリカ / 山猫 / 『苔の祭典』収録

名古屋発、絶妙に脱臼した楽曲とアンサンブルがキモチワルクて非常にキモチイイデビューアルバムより。コトバのセンスも狙っているのか狙っていないのかよくわからず、悪夢のような童話のような不思議な余韻があって、また何度でも聴きたくなってしまうのでした。とりわけ「山猫」って、すごくファンタジックな響きだなあと思いこの曲をチョイス。


3.Love Will Tear Us Apart. / Baimo / 『All You Need is Love Will Tear Us Apart.』収録

おなじく名古屋のバンド、錚々たるメンバーが集まっているこのラヴウィルですが、ボーカル久保田氏の低体温な「うた」がそれぞれの演奏をさりげなく束ねていて、つくづくこれは良いバンドだなあと思わされます。収録は和製ペイヴメントはこの人たちで決まりだろう!と思わせてくれる名曲。


4.niumun / Graphite / 『A Pale Blue Dawn』 収録

ノイズ×エレクトロ×ポストハードコアのアマルガム、暴力的で不穏な空気のなかにある叙情性が非常にうつくしい作品から一曲、おそらくアルバム中でもっともストレートなダンスチューン。そうとうに音圧がありながらも一音一音のツブが気持ちよく仕上がっているのは、流石としか言いようありません。


5.Music From The Mars / texture of tomorrow / 『Living in the zoo』収録

このEP、2007年のサンレイン開店当時から取り扱っている作品です。いなせなシティポップスやAORがよりプログレッシヴに(悪ふざけかと思うほど!)展開してゆき、でも「歌」と「ダンス」は絶対に手放されない…この絶妙なバランスがMFTMの音楽の面白さですが、この曲はまさにその見本。


6.kyooo / 電話/ 『鳥が歌う』収録

鳥獣虫魚からリリースの、女声SSWによるデビューアルバムから一曲。全編を通じて透明感満載の声が素敵、そしてゲストプレイヤーの気の利きまくった演奏がお見事で、飾り気のないフォークソングを沁み入るように堪能できるのですが、なかでもこの、留守電のメッセージを膨らませてできたような歌がとくにチャーミングで、セレクト。


7.山田杏奈 / みるくのちかく / 『カラフル』 収録

コマイヌでも活動する音楽家/シンガーの本名名義でのアルバムから。ダブ処理や電子音を嫌味なくいいスパイスとして使いこなす「歌」の存在感がとても素敵です。ちなみにこのアルバムを聴いてライブを観に行った友人が「いい、としか言いようがない」と報告してくれました。


8.Riow Arai / Adam / 『Graphic Graffiti』収録

リョウアライ、セルフレーベルからのリリースが入荷。ひとつひとつの「音」、サンプリングとループの快楽、全編通じて気持ちよくない場所が一つもない作品ですが、このサンプラーには他の曲とのバランスを考えてコレを。特典の和モノMIX(なんとサンレイン・エクスクルーシヴ!)も反響大です。


9.YOGURT & KOYAS / Rainbow Curved / 『SOUNDS FROM DANCEFLOOR』収録

YOGURT&KOYAS、前作の"CHILL OUT"カヴァーアルバムも素晴らしかったのですが、この"ダンスミュージック"作品もおふたりの「サウンド請負人」
としてのセンスと耳の良さ、そして技術が盤の表から裏まですべてに沁み込んでいます。このサンプラーはMIXではないのですが、個人的にRiow Arai『Graphic Graffiti』から続けて聴くのが大好きなので、この気持ちをみんなに伝えたいと…(笑)


10.Tamas Wells / Signs I Can't Read / 『Signs I Can't Read』収録

ミヤンマー在住・オーストラリア人SSWによる来日公演の模様を収録した限定流通盤より、タイトルチューンを収録。このライブ、観ていた人のからだの隅から隅まで「至福」が行きわたっただろうなあというくらいの好盤ですよ!声が空気に溶けて、どんどん柔らかで済んだものになってゆくのが分かります。


11.ゆーきゃん with his best friends / ラプソディ / 『Sang』収録



2007年リリースの、バンド名義での一枚の冒頭を飾る曲。秋冬物といったテイストのこのアルバムのなかでも、きわだって日差しのあたたかさを感じさせる曲。微量の高揚感、さらっと聞き流せるのが自分でも気に入ってます。



ご注意:「月刊サンレイン」は購入特典です。バックナンバーは1575円以上(送料/手数料は別)お買い上げいただいたお客さんにプレゼントします。(カートにお入れください。リクエストできるバックナンバーは1枚のみです。複数枚のリクエストは無効ですのでご注意ください)